Ableton Liveは様々なMIDIコントローラーに対応しています。最も親和性が高くほぼすべてをコントロールできるのは、言うまでもなくAbleton Push 3ですね。ですが、ここではキーボードを搭載したMIDIコントローラーでおすすめの AKAI MPK mini Plus をご紹介したいと思います。
AKAI MPK mini Plusとは
AKAI MPK mini Plusは、非常に人気の高い AKAI MPK mini MK3 の機能を拡張した製品です。AKAI MPK mini MK3が25鍵であるのに対し、AKAI MPK mini Plusは37鍵と3オクターブをカバーしています。また入出力端子も豊富で、5ピンDIN-MIDI IN/OUT 端子、モジュラー・シンセとの接続にはCV/Gate、Clock端子、さらにサステインペダル用端子も搭載しています。ここではAKAI MPK mini MK3とAKAI MPK mini Plusを比較していこうと思います。
AKAI MPK mini Plusにしかない機能や優れている点についてはセルの背景色をピンクにしてあります。その他の違っている点についてはセルの背景色を黄色にしてあります。
AKAI MPK mini MK3 | AKAI MPK mini Plus | 備考 | |
---|---|---|---|
鍵盤 | 25鍵ミニキーボード | 37鍵ミニキーボード | ベロシティ対応 |
USB端子 | USBType-Bポート | USBType-Bポート | |
電源 | USBバスパワー | USBバスパワー 電源付USBハブも使用可 | |
ロータリー・ノブ | 8個 | 8個 | エンドレス |
X-Yコントローラー | ○ | ○ | |
パッド | 8個 | 8個 | バックライト付き 2パッドバンク |
ピッチベンドホイール | ✕ X-Yコントローラーを使用 | ○ | |
モジュレーションホイール | ✕ X-Yコントローラーを使用 | ○ | |
サステインペダル接続端子 | ○ | ○ | |
CV/Gate出力端子 | ✕ | ○ | |
Clock入出力端子 | ✕ | ○ | |
MIDI入出力端子 | ✕ | ○ | |
トランスポート コントロールボタン | ✕ | ○ | |
内蔵ステップシーケンサー | ✕ | ポリフォニック・64ステップ | |
重量 | 0.75kg | 1.26kg | |
サイズ(W × D × H) | 31.8×18.1×4.4 cm | 45.11 x 18.0 x 5.2cm |
電源に関しては、AKAI MPK mini MK3はPCとUSBで接続してMIDIデータのやり取りをしますが、AKAI MPK mini Plusの方にはMIDI入出力端子が搭載されているので、PCと接続せずシンセサイザー等に繋いで演奏する場合などは電源付きのUSBハブと接続して使用することが出来ます。
どちらにもX-Yコントローラーが搭載されていますが、AKAI MPK mini MK3にはピッチベンドホイール、モジュレーションホイールが搭載されていないので、X-Yコントローラーでコントロールすることになります。AKAI MPK mini Plusには独立してこれらが搭載されているので、X-Yコントローラーには別のコントロールを割り当てて使用することが可能ですね。
また、AKAI MPK mini Plusにはトランスポートコントロールボタンが搭載されています。これにより再生、停止、アーム等がボタンで操作可能です。私の場合、この点はキーボード操作でかまわないと思っていますので、あまり大事なポイントではありませんが。
AKAI MPK mini MK3にある機能は、すべてAKAI MPK mini Plusにもあると言えます。
あとは、持ち運びの際や設置場所によって選択すると良いかもしれませんね。私的には1オクターブ分の鍵盤があるのとないのとでは使い勝手に大きな影響があると思いますので、サイズ、重さ的に可能であればAKAI MPK mini Plusをおすすめします。
AKAI MPK mini PlusをAbleton Liveで使用する方法
Ableton Liveは数多くのMIDIコントローラーに対応していますが、実はAKAI MPK mini Plusには対応していません。(AKAI MPK mini MK3には対応しています) しかし、実際には次の手順でAKAI MPK mini MK3と同等に使用可能となります。逆に、以下の手順を行わないと、一つ一つMIDIマップモードで手作業でコントロール対象をアサインしなければ動作しないので、ぜひ設定しておきましょう。
まずは以下からAKAI MPK mini Plus用のマッピング定義ファイルをダウンロードします。
以下のフォルダの配下に「MPK Mini Plus」という名称のフォルダを新規作成します。もしフォルダが見つからない場合、隠しフォルダが見えないようになっていると思われます。次の手順で隠しフォルダにアクセス出来るようにしましょう。[隠しフォルダにアクセスする方法]
MAC
HD:/Users/[ユーザー名]/Library/Preferences/Ableton/Live x.x.x/User Remote Scripts
Windows
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Ableton\Live x.x.x\Preferences\User Remote Scripts
ダウンロードしたファイルを解凍して、UserConfiguration.txt ファイルを、上記で作成した「MPK Mini Plus」フォルダの中に移動します。
Ableton Liveを起動し、メニューの「オプション」->「環境設定」を開き、「Link Tempo MIDI」のタブを選択し、コントロールサーフェスで「MPK Mini Plus」を選択します。入力、出力も「MPK Mini Plus」を選択しておきましょう。
最後にすぐ下のMIDI Portsのところで、MPK Mini Plusの「トラック」と「リモート」にチェックを入れます。これで、公式対応しているAKAI MPK mini MK3と同様にAKAI MPK mini Plusが使用可能となります。参考になれば幸いです。